FRPドア製作


HA23ターボの更なる軽量化の為、重量のあるドアパネルをFRPで製作します。

メス型を作ると作業も材料費も大変なことになるので「メス型は作らずに」製作します。

車検の問題もあるので車体についているドアは使用せず、程度の良い中古のドアを購入しました。

表面の傷とか塗装の状態とかはどうでもいいのですが、凹みをパテで埋めてあるような板金歴があると面倒なので状態の良いドアを選んで購入。当然左右です。

ドアロックやアウターハンドル、その他付属品は残らず外しておきます。


ドアのフチ全周に軽くサンダーをかけて削り表パネルと裏パネルを分離します。


必要最低限だけ削り、隙間が見えたら薄い刃を差し込んで接着剤を切っていきます。

パネルを変形させないようにここは慎重に。


数箇所スポット溶接もされているので見落としが無いようにスポット溶接部も削るとパネルが分離できます。


窓枠やサイドインパクトバー、その他もろもろも剥がしてバラバラにします。


分解前に部品をすべて外した状態のドアの重量を計測したところ、一枚で13.7kgありました。

FRPドアにした場合の目標は 3.7kg


いや、根拠は特に無いんですがドア一枚で10kg軽量化になるとキリがいいかなと(笑)


剥がした表側パネルはユラユラと変形するので簡易的に補強を取り付けます。

と言っても適当な木材を現物合わせで組んでホットボンドで接着して終わり。


裏側パネルは穴だらけなので穴という穴をアルミテープで塞いでおきます。

このドアはウインドーレギュレーター等は取り付けないので外周部分の穴だけ塞ぎました。


表パネル、裏側パネル共、内面をきれい掃除して離型処理をしておきます。

離型ワックス処理を3回行い、PVAを塗ってしっかり乾燥させておきます。


今回ゲルコートが無かったので積層用のノンパラ樹脂にポリトナー(黒)を混ぜたものを刷毛塗りしてゲルコートの代用としました。

積層に使用した繊維は#230ガラスマット2プライと#200ガラスクロスで、マットとマットの間にクロスを挟んで積層してあります。

アウターハンドル付近は更にもう1層余分に貼ってあります。

最後に補強として発泡材を乗せてマット1層でくるんであります。

発泡材は「シーリングバックアップ材」というもので断面は円形ですが、カッターで半分に割いて半円にしたものを使用しています。

これを使用した理由は先ずポリエステル樹脂で溶けないこと、また、非常に軽く加工が簡単でとにかく安い事です。


裏骨の繊維構成は全体に#230ガラスマット、ロック取り付け部とヒンジ取り付け部はさらに2層程度貼り増しています。

ヒンジ取り付け部には予め鉄板にボルトを溶接したものを用意しておき、裏骨積層後に穴をあけ、ボルトを差し込んでガラスマットと樹脂を貼って固定しておきます。


※#230ガラスマットはその番手通り一般的な#450ガラスマットの約半分の重量のマットですが、非常に使い勝手が良いです。
薄くて曲面に簡単に馴染むので凸凹と入り組んだ形状に積層する場合、すごく作業がラクです。

今回の裏骨の積層時は脱泡ローラーの類は一切使わず、刷毛のみで積層出来た位です。
厚みが必要な場合は枚数を重ねる手間はかかりますが、その場合は2層目から#450にするとかすればいいのでこの番手は持っていると便利です。

ただこの番手を取り扱っているお店が殆ど無いので見つけるのはちょっと大変かもしれません。

ということで今回必要以上に大量購入しました(笑)


表パネルと裏側パネルの合わせ目を荒めのサンドペーパーで足付けし、タルクを混ぜて粘度を増した樹脂を接着剤代わりにして貼り合わせて接着します。

貼り合わせたら全周をクランプでしっかり押さえて24時間以上静置します。


今回のドアの場合、窓枠のウェザーストリップを取り付けるところの形状がちょっと複雑だった為、ドアパネルのように表と裏に分離出来なかったので外貼りで製作しました。

幸いというか今回のドアの場合、窓の開閉の事は考えず固定窓でいいのでシンプルに作れます。

このあたりの作業時は非常に忙しかったので画像を撮る暇が無く、いきなり積層完了画像になっていますが、実際の作業では色々と細かい処理とか工夫をしています。

この窓枠を作るのがとにかく面倒だったので、窓枠の無いドアならもっと簡単に作れます。


窓枠をパネルに差し込んでガラスマットで固定します。

窓枠固定時は出来上がっているドアパネルを一旦車体に取り付け、ボディーとの隙間を見ながら窓枠とボディの隙間を確認してリベットで動かないように仮固定してからドアを取り外し、必要部位をガラスマットで接着してしっかり固定しています。

他にドアミラーをGT風のものに変更することにしたのでアウターパネルのドアミラー取り付け部に補強を入れておきました。

こちらは工作用紙をコの字にしてパネルの上に置き、ガラスマット2プライ程度をかぶせて作りました。

ドアミラー取り付け用のナットは補強取り付け前に鉄板にナットを溶接したものをガラスマットで固定しておきました。


これでFRPドアは概ね完成したので重量を測定しました。

測定結果は

右ドア 3.8kg
左ドア 4.6kg

目標値(3.7kg)にはちょっと届かなかったけどだいぶ軽くなりました。

重さに左右差が結構出てしまいましたが、これは先に右ドアを作り始めたのですが、途中でかなりペラペラに感じたので左ドアを作る際はちょっとしっかり目に繊維&樹脂を入れた為だと思われます。


アウターパネルをボディ色に塗装し、窓枠と裏側をつや消し黒で塗装。


内側も艶消し黒に塗装してドアを取り付け。

鉄板のドアよりFRPのドアの方が少し肉厚な分、ドア側のキャッチとボディ側のロック部分の勘合が少し悪くなったので、ボディ側のロックの裏に2mm程度ワッシャーを入れて調整しました。

他は特に調整もなくピッタリ取り付け出来ました。


ウェザーストリップに関してはパネル側はほんの少し鉄板ドアより小さいくらいなのでそのまま純正の物を取り付け出来ましたが、窓枠は少し元の窓枠より大きくなっているのでとりあえずパネル側に必要なだけ切断して取り付け。


窓枠にはスポンジのパッキンを買ってきて貼り付けました。

これでは雨天時とか洗車時には水が入ってしまうかと思いますが、基本的にガレージ保管だし、雨が降った時は走らないのでとりあえず風がビュービュー入ってこなければいいかなと(笑)


窓は2mm厚のアクリル板を切り出して取り付け。

建築用の変成シリコンシーラントで接着し、何か所かビス留めしておきました。


運転席ドアのみオープナーレバーと取っ手をそれぞれアルミ板とカーボンで製作して取り付けてあります。

助手席ドアは外からしか開閉出来ません。


GTミラーを取り付けし、ドア下部に元のドアのようにストライプを貼ってFRPドア完成!


内張りは必要ないかなとも思いましたが、冬の早朝にサーキットに行くまでの道中に隙間風がスースーして寒いかなと思ったので一応プラダンで内側を塞いでおきました。